アンティバース、アウターリム

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Endgame Study 04: オー・マイ・ゴッド『マイティ・ソー』

Endgame Study 04

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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マイティ・ソー

 

 

 

 

 

この企画を始めるにあたって昨年Twitter上でやった(挫折した)MCU全作感想ツイート企画(挫折した)のモーメント(挫折した)を読み返したのだが、他の3作についてはちょっと解説的&不慣れを感じたのに対して、『マイティ・ソー』に関するものだけは感情が入っていて個人的にも上手く書けていて自分でも驚いた。

1年経ち、頭を狙わなかったために宇宙人口の半分が減ってから視点がちょっと変わってから再見した今読んでも感じた内容はその時と変わらなかったので、今回はそれらのツイートをかいつまんで引用しながら改めての感想を補足することにする。ところで頭に直撃した所でアイツは指パッチンしそうやなと思う

 

 

 

マイティ・ソー』の時点でファンタジックな世界を見事に導入できたのはなんだかんだですごいと思う。過去3作は軍事色の強い世界観から一気に拡張され、コミックのそれに更に近づいた。

 

 

アスガルドより壮麗な景観はいまだに出てきていない。それどころか『マイティ・ソー』のアスガルドはソー三部作の中でも最も美しい。とにかくじっくりと王国をなめるように魅せていく手法でうっとりとさせてくれる。これは『ブラックパンサー』のワカンダでも同じ手法を用いていた。

 

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そしてビフレストがまた量子加速器に似てんだよなーと。アスガルドはただファンタジーなだけではなく魔法と見まがうほどに高度に発達した科学なのであるということがわかる。ジェーンにそのクラークの言葉を引用させてるのも上手いと思う。

 

初期のソーもまた傲慢な振る舞いをするのが見所。

力に任せた王子が地位を奪われ経験するうちに王としての自覚を得る=民のために自らを捧げるこのヒロイズム。

自己犠牲によるヒロイズムへの覚醒はヒーローモノにおいておなじみだが、フェーズ1の1作目たちは、『アイアンマン』はペッパー(=女性)にリアクターのオーバーヒートを自らを巻き込んで引き起こさせ、『ハルク』は怪物を止めるために畏怖される怪物に戻り、『ソー』はヒーローだけでなく王としても目覚めでもあるなど、ヒーローによってその形が微妙に違っているのが面白い。

 

同時にこの映画はMCU史上最高のヴィランでありヒーローでもあるロキのオリジンでもあるわけだが、自らの真実を知った際のオーディンに問うロキの演技がすっっっっっっごい。そして髪の毛が比較的短い。

 

マイティ・ソー』はいわゆる「放蕩息子のたとえ話」でもあるわけだけれど、この場合放蕩息子が兄であるソーで、節制してきた兄の立ち位置が弟であるロキになる。『アベンジャーズ』『ダーク・ワールド』でこの立ち位置がまた入れ替わり、今度は放蕩息子がロキになるのもこの兄弟の面白いところ。

 

マイティ・ソー』が卓越しているのが人物描写であると思う。みんな大好きコールソンや、何よりジェーン、セルヴィグ、ダーシーの三人組が愛らしくて。

神話世界の神々が主人公なのに地球パートのロケーションはニューメキシコの片田舎という対比も面白い。

 

 

 

マイティ・ソー』はこの二人の関係性が本当に機微で、ケネス・ブラナーの手腕をひしひしと感じるところだ。

このシークエンスがこれまた尊くて、ジェーンに自分たちの世界について語るソー、そしてソーの話に聞き入るジェーンが温かな目線をもって捉えられている。

 

この、ソーの語る“おとぎ話”が本当かどうかはわからないけれども、ソーは彼女を肯定し、そしてジェーンは彼の話を受け止めるのが彼らの間でそのおはなしが本物であることが途轍もなく美しい。

 

 

 

 

 MCUは変身に対して一家言あると思うのだが、今作においても例外でない。

ロキによって送り込まれ街中を暴れまわるデストロイヤーを止めるため、自らを犠牲にしようとしたソー。

彼の行いは彼を再び“ふさわしい者”にする。

S.H.I.E.L.D.の計測器が暴走する。未曾有の計測不能のスーパーパワーであることがわかりやすくかつこういう形で表現されるとテンション上がる。

不動のムジョルニアは空を裂き、ソーの手の中に戻る!

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とどろく雷鳴とともに鎧に身を纏うソー!

思わず笑みをこぼすウォリアーズ・スリーとシフたち。

そしてジェーンが口を漏らす。

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「Oh. My. God.」

この記事のタイトルに引用したものだが、まさしく雷神の顕現にこのセリフを引き出す発想力本当にアツい。特にMYですよMY。彼女が言うんだからMY以外ありえない。『マイティ・ソー』の脚本は気が利いている・・・・・利きすぎている・・・・・。

 

空を揺らし、ソーは苦戦しまくったデストロイヤーをたった一撃で倒す、この爽快感もいい。

 

とにかく興奮するシークエンス。まずもって感情的に高揚するようになされた編集がいいし、音楽も最高潮。

 

 

 

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この映画は最後のシーンもいい。新たな実験に赴くジェーンたちに「あなたを探してます」とヘイムダル。このジェーンの笑顔がまた……。

ちなみに元々このショットは冒頭のソーを轢いてしまう前のものだったらしい。つまりファーストショットの予定だったものを編集で最後にもってきたのだとか。これが距離間ロマンスとしての強度を高めている編集の妙。

ジェーンもダーシーちゃんもセルヴィグも『エンドゲーム』に出てこないかなぁ……はぁ好き……。

 

 

 

 

うーーーーん、もっと書きたいことがあるけど頭が追い付かないし時間もないので今回はここまでとする。自分こんなに『マイティ・ソー』好きだったっけ……、と観返すたびになる。

んで記事構成がかなーーーりひどい事になってるような気がするので次からちょっとしっかり練り直します。本当に完走できるのかコレ!?!?!?